石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第80回
新聞を見比べてみると違った景色が見えて来ます

あなたは新聞を毎朝読んでいますか?
またいくつの新聞を読んでいますか?

先日発表されたトヨタ自動車の決算について、
興味深い二つの記事をご紹介します。
一つは、5/10付の日経オンラインニュース、
もう一つは5/11付の
ウォールストリートジャーナル(略してWSJ)です。
日経の見出しは、
「2期連続で純利益が1兆円超、
トヨタ自動車の連結決算はまたも過去最高」。
対するWSJの方は、
「トヨタ:マーケットシェア攻勢で第4四半期の利益が減少
(翻訳:石原)」

日経の方は、昨年1年間の売上高や営業利益がその前の年より
絶対額で上まわったことを強調する記事になっています。
一方、WSJの方では、
年間の売上高・利益が新記録を更新したことに
冒頭でさらっと触れた後、
第4四半期の業績について、
前年同期に比べ、売上高が増えたのにも関わらず
営業利益額が減少したことに注目しています。

利益率の悪化について、WSJの記事では、
ゴムや鉄などの原材料高、米国での金利上昇やガソリン価格上昇が
コスト管理を難しくしていること、
またGMやフォードとの価格競争激化を原因と見ています。
加えて、このような逆風下でのシェア上昇を狙った
相次ぐ海外工場の建設が
同社の収益構造を圧迫していることに投資家が懸念を示している、
と報道しています。

日経の記事では、昨年の原価上昇要因
(為替変動の影響、研究開発費の増加、厚生年金基金関連等)を
営業面や原価の改善効果で吸収、
好調なハイブリッド車を目玉とする販売台数の増加で
2005年も2004年度と同等の利益を見込む、としています。

WSJは、
「トヨタの第4四半期の営業利益率は、
第3四半期の9.1%から7.8%に減少した。
ちなみに、日産が最近発表した営業利益率は10%。」
と記事を結んでいます。
奥田会長の発言やGMとの提携強化が問い沙汰されていますが、
あなたなら、今後の同社の動きをどう読みますか?


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2005年5月27日(金)

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