第127回
品質・ブランド競争への移行
企業は、普通は他社より優位に立つために
「価格」、「品質」、「ブランド名」、「特定の客層への特化」
などの中で自社の強みを見出し、
それを消費者に訴える戦略を取ります。
この戦略の有効性は
その国の経済の発展とともに変わっていくのではないか
ということを考えてみましょう。
価格で競争するには
原価を下げるか利幅を薄くするかしかありません。
コスト削減で「業界No.1」になる方法もありますが、
絶えず他社の挑戦を受けていくのが普通です。
「壊れにくい」とか
「あそこの医者は名医だ」というのは品質の競争でしょうか。
あと接客態度やアフターサービスなど
いろいろな要素でその企業の商品の評価がなされます。
品質はすぐにはわからないものの、
例えばデザインが良くて長持ちする靴であれば、
そのうちにみんなが商品名を知るようになってきます。
これなどは「品質」から「ブランド」へ
差別化がより強まったものでしょう。
人々のお腹を満たすことが一番であるような
購買力のない国では「安さ」が一番重要です。
それが、人々が豊かになって
また、法人の需要が増えたりすれば
消費者は品質やブランドを重視するように変化していきます。
そうすると、今度は広告宣伝費も増えて、
やせ我慢競争になってしまう可能性もありますが
ならば広告宣伝会社にも投資するという方法もあるのでしょう。
競争はいつの時代、どこの国でもありますが、
国民の経済力によって適切な戦略も変わると考えられます。
タイの家具メーカーで
モダーンフォーム(MODERN)という会社がありますが
ここは空港・映画館・銀行などを含む法人需要と
高級品に取り扱い対象を絞り込んでいます。
2002年にこの会社を訪問した時にCEO(最高経営責任者)は
「一般家庭用家具では他社に負けても、
オフィス用ハイエンド商品のブランドNo.1を維持します。
一般家庭用家具は競合が激しくて、すぐに参入や撤退が可能です」
と語っておられました。
参考:
モダーンフォーム(MODERN)のホームページのアドレス
http://www.modernform.com
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