第102回
即席麺の競争
インスタントラーメンを、お食べになることはありますか。
日本では今年で45周年を迎える
日清食品のチキンラーメンから始まって
多くの即席麺が登場し去っていきました。
今は日本のコンビニへ行けば並ぶのはカップ麺ばかりですが、
変わらず厳しい戦いを続けています。
昔に中国大陸から入ってきた麺文化が
日本で発展を遂げ、今度は即席麺としてアジアを席巻しています。
推定される世界の消費量の半分近くが
中国で生産され消費されていますが
潜在需要はまだまだあると見られています。
成長分野での競争がいかに熾烈かを見てみましょう。
中国では1990年ごろにはメーカーは500社以上あったそうですが
淘汰が進み、今では数社が熾烈な競争を展開しています。
現在、中国市場で推定4割のシェアを占めているのは
台湾系のブランドである天津の「康師傳」。
香港上場のこの会社には「サッポロ一番」の
サンヨー食品が33%出資しています。
2割程度のシェアを持つのが同じく台湾系の北京の統一企業。
ブランド名は「統一」です。
中国の国内系メーカーでは
牛肉スープの「六丁目」などを出す
民営企業の華龍食品(ファロン・フード)があります。
ブランド名は「華龍」。
この企業は小麦の産地の河北省南部にあり、
北京や天津の消費地にも近いメリットがありますが
最新の製造ラインで、かつ研究熱心であることが強みです。
この企業の心意気は
食品研究所を日本に設けようという計画を見てわかります。
日本から学ぶ以外に日本を消費地として見ているのです。
タイで一番のブランド「ママー」を展開する
タイプレジデントフーズは中国での10年の活動の経て
最近撤退を決断しました。
「ママー」の商標を他社が先に登録していて
うまくPRできずに苦戦をしたとのことですが、
中国で事業展開をするのには、
台湾の企業はやはり上手な気がします。
華人も本土を離れて長い年月が経っており、
台湾の人ほどには中国が身近ではないのかもしれません。
参考:
康師傳(香港0322)のホームページのアドレス
(http://www.masterkong.com.cn/)
サンヨー食品のホームページのアドレス
(http://www.sanyofoods.co.jp/)
統一企業(台湾)のホームページのアドレス
(http://www.uni-president.com.tw/)
華龍食品のホームページのアドレス
(http://www.hualong.com/)
日清食品(日本2897)のホームページのアドレス
(http://www.nissinfoods.co.jp/)
タイプレジデントフーズ(タイTF)のホームページのアドレス
(http://www.mama.th.com/)
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