第86回
中国のB株について
中国では、政府の方針が
株価に大きな影響を与えることはよく知られています。
そして国民用の株(A株)と外国人用の株(B株)が
違ったものに思えるほど株価の動きが違う場合があります。
しかし、調べるとやはり密接に動いています。
政府の方針では
1999年には一度、国民にとっては政府の大号令と
受け取れる発表があり、A株の株価は上伸しました。
政府の機関紙に近い性格を持つ人民日報が
「株価は割安」と報じて、
合わせて政府は印紙税下げ・新規上場制度の緩和を行ったのです。
多くの人が株を買いに走り、株価は上昇しました。
2001年に入ると
B株が何倍にもなりました。
外国人だけではなく、外貨を持っている国民も
買っても良いと許されることになったからです。
この時は国内の人がB株を多く買いました。
よって今、B株は本土の人も多く持っています。
最近のA株・B株のチャートの動きを
サーチナの中国株速報(http://stock.searchina.ne.jp/)
などで注意深く見てみますと
上げてもよさそうなB株がまだ軟調なようにも見えます。
中国のアナリストと連絡を取り合っているある米国人は
「今後のドル高を期待する中国の人の中には、
B株を売ったドルを元に換えてA株を買う場合もある」
と以下のメールを私にくれました。
「Currently, some people,
in anticipation of a Chinese currency appreciation, are
exchanging their US dollars in their B shares to Chinese
yuan to their A shares. 」
元が高くなれば、B株こそが再評価されると思えますが、
中国の投資家も元の切り上げにはいろいろ思惑があるのでしょう。
中国国内では、従来は国民が外貨を持つのは容易なことでは
なかったのですが、法人への規制は少しずつ緩んでいますし
国民は以前ほど「虎の子」と思わなくなったのかもしれません。
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