今まさに芽吹こうとするアジア株を
アジア株研究家・平田さんがレポートします

第84回
中国というフロンティア

景気の変動は自営業を営む庶民の生活や中高年の資産運用には
密接な関係があります。
むしろ、
景気変動の調査や分析を仕事にしている人たちのほうが
景気の影響から遠い人たちかもしれません。
多くの学者や研究員は固定給をいただく身分でしょうから
給与と郵便貯金などが
景気変動との唯一の関係であるかたもおられるでしょう。

対して、自営業者や蓄えた資産で暮らす中高年は
景気の変動で
収入や財産が大きく変わってしまいます。
ですから
むずかしい話は人に任せておいても
世の中の流れの向きを考えることは有益かと思います。
故高橋亀吉先生は、「東洋経済」で編集の仕事をされながら
現実を直視して優れた著作を書かれました。

すごく長い期間の景気の変動を考えますと、
200年前後にも渡る経済循環があります。
16世紀・18世紀・20世紀で長期のインフレ、
17世紀・19世紀は長期のデフレが起こりました。
大きな波は私たちの記憶できる期間を超えて動いています。

また、長期の景気循環を表すとされているコンドラチェフの波は、
50〜60年の循環と言われています。
こんな波の分析は役にも立たないと主張される学者も
おられますが、これは技術革新や戦争、金の生産、
フロンティア(未開拓地)の出現などを主原因とする変動ですから
私はどうも気になります。
今、世界の経済を考えますと1945年〜70年は景気が拡大する局面、
1970年以降は景気が下降する局面と見ることができます。
が、すでに次の動きは始まっているように思います。

「旧共産圏というフロンティア」が登場し、
IT(情報技術)と物流が発達したことによる
経済のグローバル化がいろいろな変化を生んでいます。
この変化に対応する中で次の成長企業の登場や投資チャンス、
国の盛衰があるのではないでしょうか。

しかし、コンドラチェフ循環などの景気が下降する局面では
保護主義が台頭し世界に大きな影響を与える可能性があります。
1929年の米国では関税の引き上げを実施し、
他国に影響を与えることをやってしまいました。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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