今まさに芽吹こうとするアジア株を
アジア株研究家・平田さんがレポートします

第81回
中国の登場

日本の新聞には
中国のことが載らない日はないくらいになりました。
が、これをよく見ると中国だけの問題ではありません。
旧共産圏や統制経済の国が市場経済に入ってきたことは、
地球の裏側であるバルト海の近くや
アメリカ大陸などでも起こっています。

1990年代には、東西両陣営の冷戦が終わり、
またIT(情報技術)と物流が大きく発達しました。
これにより
新たなグローバル化が始まったと考えることができます。
そこで、かっての英国と欧州諸国の歴史を振返って
グローバル化の参考にしましょう。

19世紀の前半に
英国の指導者が頭を悩ませた問題は
「なんでも輸出してよいか?」ということでした。
自国に繁栄をもたらせた蒸気機関や織物の機械を
外国に輸出してもよいのでしょうか?
それまでは工業製品は輸出しても、
それを作る機械(生産財)は打出の小槌と考えて
厳しく輸出を規制していたのです。
例えがいいのかどうかわかりませんが
「衣料は輸出してもミシンは輸出しない」ということです。

アダム・スミスを信奉する人たちは
輸出を許して世界貿易を活発にすれば、
さらに英国が豊かになるのだと説きました。
そして
その考えは19世紀の半ばまでにはほぼ実現したのです。
しばらく世界は大貿易ブームで沸きに沸きました。

しかし1870年代には生産過剰による大恐慌になってしまいました。
その結果、欧州の諸国は保護主義と言われる方法、
関税を高くしたりして自分の国を守ったのです。
やがて、英国の栄華の時代は過去のものとなりました。

今、外国資本が中国に工場を建てて、操業を拡大しています。
生産財はどんどん中国へ渡っていると考えてよいでしょう。
その動きは工業製品を作る費用を安くし、
販売価格を安くしていきます。

先進工業国が、かっての英国と同じ運命をたどるとは
思いませんがグローバル化の影響はかくも大きいものです。
ですから、同じものが
昨日までと同じ値段で売れるとは思わないほうがよいのでしょう。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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