第58回
現地取引の配当は証券口座振込みで
現地に証券口座を持つ場合、配当の受け取りについては、
間違いが起こりやすいので若干説明いたします。
海外の多くの国では株式は「保護預かり制度」を取っています。
株券は「セントラル・デポシタリー」などと呼ばれる
株式の保管所に預けられて名義だけが、振り変わるものです。
したがって、株式の保管に注意を払う必要はほとんどありません。
配当日が来ると、会社から配当が支払われます。
この配当は、何も手続きをしなければ
小切手で払われるのが普通です。
日本にいて、シンガポールとかタイから
小切手を受け取ったとしたら、どうしましょう。
換金に手間がかかって困ってしまいます。
普通、その国の人々は
その国の銀行に口座を持っていますので
サインをして、銀行に渡すだけで配当を現金化できます。
香港やシンガポールなど多くの国では
支払いには小切手を使うことが一般的です。
日本人がその国に銀行口座を持っていれば
そこに小切手を送ればよいのですが、
初めて証券口座を開く人の多くは銀行口座を持っていません。
また通常、小切手は6ヶ月とかの
銀行に持って行く期限があります。
その間に換金できなければ、
小切手の発行元に言って再発行してもらわねばなりません。
ですから、配当は
証券会社の自分の口座で受け取れるよう
手配しておくべきでしょう。
あとひとつ、注意点を申し上げますと
有償増資の連絡が来たら気をつけねばなりません。
安い値段で増資される場合、
増資に応じずに放置しておくと株価が下がってしまうからです。
涙を飲んで一旦売却するか、
増資に応じてお金の払込をせねばなりません。
日本の証券会社を経由して取引している場合は、
権利を売却してそのお金を振り込んでもらえる場合があります。
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