第49回
CP(チャルーン・ポーカパン)グループ
タイ最大の多国籍企業、CPグループは
タイ、中国、ベトナムなどに百以上の工場を持ち
チキンや海老の輸出をしています。
タニン・ジラワノン(謝国民)会長は
2003年1月には、幹部が集まったところで
製品の輸出入などが非効率的と指摘し、
「成長のカギとなるのは物流分野」と
グループ幹部に激を飛ばしました。
CPグループは物流・流通の強化をするために、
米ウォルマートの元幹部社員の協力を得ています。
またタニン会長は、20〜30歳代の若手幹部登用を進め、
人材育成に集中するようグループ幹部に訴えています。
タニン氏は
中国に点在する工場を物流のターミナルとして
中国に広く展開していこうとしているのです。
中国・ラオス・タイの国境では
通関事務の軽減化もが進んでいます。
2007年の南北回廊完工後は、
わずか数日でバンコックから
中国の雲南省にある昆明へトラックが走れるようになります。
10年以内にはカンボジア経由ホーチミンへも
陸送が可能になります。
CPグループは家畜飼料や畜産から発展したタイ最大の財閥で
中国名は「正大集団」といいます。
アジア各国には子会社・関連会社があり
上場企業も多くあります。
タイでの主力企業はCPフーズ(CPF)、
流通のCPセブンイレブン、サイアム・マクロ(MAKRO)、
通信のテレコムアジア(TA)、携帯のTAオレンジ、
有料テレビのUBCなど。
「え。この会社もそうなの?」と驚くくらい幅広いです。
経営の最高責任者であるタニン会長は
グループの基礎を築いた謝易初氏の4男です。
タイの中華街(ヤワラート)の海沿いの小さな家から出発した
巨大財閥で立派とは言えない初代の家はまだ建っているそうです。
石油化学やコミュニケーションまで幅広く展開しています。
が、「幅広く」が本当に良いことでしょうか。
フィリピンのアヤラ財閥が慎重に選択と集中を行い
時の政府とも距離を置いて発展している歴史と比べると
少し疑問は残りますが、
これは使命感の違いがなす業かもしれません。
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