第38回
東南アジア諸国の小さい時価総額
世界というものは面白いものです。
今ではインターネットや
直接現地に旅行したりして、
アジア中を見渡せるようになったのです。
ニュースは、世界中のものが飛び込んで来ます。
「この辺でお開きにしましょう」と
こちらからスイッチを切らないと
いくらでも伝わってきます。
でも、おかしなもので
東南アジアの株式の情報はほとんど伝わってきません。
それには理由があります。
アジアでは日本以外の国の株式市場というものは、
実はそんなに大きくないのです。
大雑把な時価総額では香港が日本の数分の一。
あと、中国の上海・シンセンが日本を追撃しています。
台湾・シンガポール・韓国・マレーシアが数十兆円レベル。
日本は下げたとはいえ東証1部のみで269兆円もあります。
(2003年6月27日現在)
また、フィリピン・タイ・インドネシアなどは、
日本の市場と比べると桁が2つくらい違います。
タイなどは大雑把に言って時価総額は7兆円。
これは、実は日本で一番大きな企業ひとつの
時価総額の半分くらいの規模なのです。
「なんだ。そんなに小さいのか」とがっかりされますか?
でも、個人が投資するには充分大きな市場です。
何百億円も買うのでなければ
そんなに大きな市場でなくてもいいのです。
アジアの国々の時価総額が小さいから、
制度がいい加減ではないかと想像されるかもしれません。
ですが、各国とも株式市場を重要視しています。
制度や監視体制は日々進んでいます。
タイは米国の証券取引法を手本にしていますし
ペーパーレス化などとうの昔に実現しています。
また、四半期報告書の作成や
インサイダー(内部情報を得られる人)取引の情報開示など、
日本より進んでいるのではないかと思われる仕組みもあります。
ともかく、世界の株式市場の中では、
とりわけフィリピン・タイ・インドネシアなどは
米粒のような存在だとだけは言っておきましょう。
「ジャックと豆の木」の豆の木のように大きくなればよいですね。
でも、1945年の日本なんて、
米国人が相手にしないようなちっぽけなものでした。
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