第34回
タイの外国人用の株式 「NVDR」
タイの株式を売買する外国人が
必ず知っておかなければならないことがあります。
NVDR(Non-Voting Depository Receipt)についてです。
タイでは他の多くの国と同じく外資規制があり、
外国人の投資は一定率までに制限されます。
そのため
外国人が持てる枠いっぱいまで買われた企業の株式は
他の外国人から買わねばならず値段が2種類存在しています。
たとえばバンコック銀行なら「BBL」と「BBL-F]で
Fはフォーリン=外国を表します。
しかし、この制度下では
外国人に多くの投資をしてもらうには不便です。
そこで、2001年に新たな制度ができました。
議決権を放棄すれば現地の人と同じ値段で、
実質的に全ての株式を購入できる制度です。
議決権を放棄した株式は
NVDR(議決権なし保護預かり証券)と呼ばれ、
実際はタイNVDR社が株券を預かりましたという証書です。
正確には
NVDRは原株式を裏付けに発行・流通させる預託証券です。
現在、上場全銘柄がNVDRの対象となっています。
NVDRを買えば、無制限に株式を購入できると同時に、
議決権を除き配当、株主割当増資、新株引受権などの
権利が保証されます。
われわれはNVDRという種類の株式があると考えれば、
まったく自由に売買できます。
通常はインターネットの取引画面で「NVDR」という箇所に
チェックを入れるだけで
あとは一般の株式と同じと思って差し支えありません。
タイNVDR社はタイ証券取引所(SET)が
NVDRの預託機関として全額出資し
2000年10月4日設立した株式会社です。
議決権なし預託証券(NVDR)の発行・保管・登録などの
管理を行います。(資本金1,000万バーツ)
このNVDRの取引量は年を追って増えています。
売買の注文を出す場合にはかならず
買う株式の種別の確認をすることが大切です。
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