中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第3253回
■ヒトシさんからのQ(質問):今と昔の「作家の違い」について

邱先生、
いつもためになるコラムをありがとうございます。

先生の著書を拝読しておりますと、
檀一雄先生や、山岡荘八先生、
佐藤春夫先生や、長谷川伸先生など
名だたる「作家」の方々のお名前が登場します。

私は本が大好きで良く読んでいるのですが、
今の作家先生には何かが足りない気がしてなりません。

邱先生は今や直木賞作家の長老でいらっしゃるので、
多くの作家先生たちとのお付き合いされて来られたことも
存じ上げております。

今も第一線で活躍中の邱先生の目からご覧になって、
現代と昔の作家についてどのような違いを感じますでしょうか。
どうぞ宜しくお願いいたします。


■QさんからのA(答え)

歌は世につれと言いますけれども、
時代が変わると歌だってどんどん変わります。
それと同じように、
文章書きの仕事も当然変わるんです。
文章を書く人の命というのは何かと良いますと、
いつもその時代の制約があって、
その制約を破壊する仕事というのが文章書きの仕事であります。、
例えば昔は恋愛の自由も無かったし、
隣の国に行く自由も無かったし、
それを犯した人たちがどんな目に遭ったか、
ということがテーマになるわけです。

でも今、残っているタブーは
同性愛と近親相姦くらいなものですから、
それをテーマにして、
世界中の同情を得ようとするのは難しいですよね。
昔に比べて、今の作家の野心を叶えてくれる
スペースが無くなったと私は見ております。





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2011年7月28日(木)

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