中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2924回
■白髪鬼さんからのQ(質問):中国バブルの懸念

中国政府は4兆元の景気対策を実行する、といっていますが、
国債を発行して市中から資金調達するわけでしょうが、
その膨大な国債は消化できるのでしょうか。
中国では、無理やり金融緩和して、
市中銀行の融資枠拡大をさせているため、
使いようのないカネが株や不動産に投機されて、
ミニバブルが再燃しているような感じもいたします。
いずれ人民銀行が金融引き締めに転じざるを得なくなれば
バブル崩壊しかねません。
中国絡みの株(コマツなど)を保有しているため、少し心配です。
先生のご意見を伺いたいのですが。


■QさんからのA(答え)

国のお金がどういう具合につくられて、
どういう具合に動くかについてあまり理解されていないようですね。

日本では国債を発行するというのが目につきますけども、
中国では景気対策のために国債の発行はしていません。
日本では所得税だけでは間に合わなくなったので
消費税を取るようになりましたが、
いまの中国政府は始めから消費税が大きな収入になっています。
共産国家では企業も皆政府のものでしたから
月給からまた税金を取ることはありませんでした。
今は所得税もありますが、所得税を払わなかった人々は
手取りはいくらという考え方しかありません。
その代わりに物を作って売った場合、
売値から原料費をさしひいた付加価値から
17%の消費税を取っています。
色々と免除される部分もありますけど、
国全体の売上げから17%も取っていますから、
日本よりはずっと財政的に豊かな国なのです。
ですからコマツの株の心配より、
日本にあるご自身のお金の心配をした方が
実際的なんじゃないでしょうか。


←前回記事へ

2010年9月2日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ