中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2833回
■山陰の春さんからのQ(質問):日本の食糧事情

邱先生、いつも楽しみに拝見しております。

私は地域にて生産物の流通を核とした
地域活性の仕事をしております。
さて、他地域の地域プロデューサーといつも話しになるのですが、
中国を始めとした新興国の経済発展と所得増大により、
今の日本の自給率
(カロリーベースでは40%と誤魔化しっぽい数字で
実質は穀物飼料の輸入を考えると20%台)で
このままいくと、日本は食糧危機に陥るのではないかという
懸念の話になります。

よく言われる高齢者の小規模農業にて、その方たちが亡くなって、
担い手のいない状況を目の当たりにしています。
これでは自給率が上がるどころか下がる一方だと感じています。
政府のばらまきも効果が無いどころか、
逆の悪い状況を産みだしています。
日本の食糧事情はこの先どうなるのか、
先生はどうお考えですか?


■QさんからのA(答え)

日本の国は大体人口の60〜70%の食糧を
他の国から輸入しております。

そのお金は工業化して作り出した付加価値を
他所の国に製品を売ることによって生み出したもので、
今後、それを自給に変えることは大へん難しいと思います。
従って今後も工業生産が大切で、
工業生産によってお金が稼げれば
日本の人口を養うくらいの食糧を
他所の国から買うことはできると思います。
日本では土地を細かく分けて農民に分け与えてしまったので、
大型農業の実現は困難だと思います。
従って今後の大きな問題は
食糧に払うお金をどれだけ稼げるかということであって、
農業に力を入れるより
工業が衰えないように努力することの方が大切だと私は見ています。


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2010年6月3日(木)

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