第2499回 ■カツさんからのQ(質問):もう小説は書きませんか
タマが尽きてナンピン買いができず半年が経ちました。 この際中国の古典でも読んで見ようと 三国志や水滸伝などを読み 20年前に買った先生の西遊記をあらためて読みました。 孫悟空の性格が先生と重なる時があって愉快でした。 道という道は天竺に通ずれば孫悟空よ出鱈目に行け。 元気がでる言葉です。
パール・バックの大地のような小説を 先生の文章で読みたいと思う読者の一人ですが、 もう小説を書くことはないのでしょうか?
■QさんからのA(答え)
私が西遊記の現代版を書いたのはもう40何年も前の事で、 ちょうどスプートニクが打ち上げられて、 世界中が空の上のことに興味を持つようになった頃のことです。
もちろん私も パール・バックの「大地」のような小説を書きたいと思って、 構想を練った事が色々あります。 親子三代にわたる中国人の家族の話が そのまま中国の近代史になっていて 一番最後は お孫さんがニューヨークのチャイナ・タウンで 奥さんと中華料理を食べに行くけれども、 中国語が出来ないので英語で注文をするところで終るのです。 でもそれももう昔の夢で、 この年になって今更また 情熱を燃やして血道をあげる事はないと思います。
2009年7月4日(土)