中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2461回
graphica33さんからのQ(質問):なぜ苦い目に?

先生のコラムを毎日拝見させてもらっています。

ある日の牛肉に関するコラムに、
「そういう一握りの金持ちを相手の商売を考えたのでは
必らず苦い目にあわされます」
と書いておられましたが、
最近あるマーケティングのメールマガジンを読んでいると、
「値段をうんと高くして売れば一握りの人しか買えない。
買えないと言うことは希少価値が上がる。
希少価値が上がるから売れる」
というカラクリを書いていて、なるほどと思いましたが、
先生のコラムでは「苦い目にあう」と書いてあったので、
なぜ苦い目にあうのでしょうか?
私自身もグラフィックデザインを職業としているので
値段にはピンからキリまであると思います。

同じくらいの量と質の仕事をしても、
100万円で売る人と10万円で売る人がいます。
ちなみに私は10万円で売る方です。
でも高い値段で売ることにも魅力を感じてしまいます。
でもそれに潜む「うら」があるのではとも感じてしまいます。


■QさんからのA(答え)

あなたは物事をただ漠然と見ているだけで、
焦点を合わせるということがカメラでも必要だということを
見逃しているんじゃないでしょうか。

100万円で売れるデザインと10万円で売れるデザインは、
その価値が10分の1というわけではありません。
100万円で売れる理由があるんです。
その理由を探し出して、
その条件に合った作品をつくらなければ
あなたはいつまでも
10万円のデザインを売る立場に居続けるんじゃないでしょうか。

牛肉の売り方はデザインの売り方と違います。
ご存知のように食料品は、貧乏人も金持ちも同じものを買います。
その中で10倍の値段のものを売ろうと思ったら、
それだけの値打ちを消費者に納得してもらう必要があります。
それはデザインを売るよりもっと難しいことです。
毎日毎日お金を払うものですから、
当然10倍の値段で買う人はうんと少くなります。
ですから10倍で売るよりも
50%でも高いものから始めなければお金になりません。
お金を払う人の身になって考えて下さい。


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2009年5月27日(水)

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