中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2343回
カルモさんからのQ(質問):企業として優れているのは

半年ほど前からこちらで勉強させていただいております。

企業と株主、雇用者との関係について、自分の中では答えが出せず、
邱先生ならどのようにお考えになるかお伺いしたくなり、
質問させていただく次第です。

経済状況の悪化に伴い、
各企業とも決算の下方修正、赤字転落が相次ぎ、
企業の方は派遣社員の契約打ち切り、
場合によっては正社員のリストラなど
経営の健全化を図っているようです。
ただ、トヨタなどは赤字転落でも
株主への配当は出そうとしていると聞きます。
昨今のマスコミの論調は、
「雇用を守れ」「企業は雇用者の生活を守る義務がある(?)」
の一点張りです。
人材の確保も企業の将来を担う上で大事なことだと思いますが、
株主への配当を雇用確保へ向けて無配に転じ、
株主離れを誘発することを防ぐほうが
企業としては優れていると考えて宜しいのでしょうか?
投資家の視点、政治家の視点、派遣労働者の視点、
見方によって色々かと存じますが、
先生の視点でご意見伺えましたら幸いです。


■QさんからのA(答え)

雇用のことと株主に配当するのと、どっちが大切かなんて、
そもそも比較するのがおかしいと思います。
二つとも事業をする上で必要なことですけど、別のことです。

人をクビにしないことは社会が要求していますけど、
給料を払う側から見れば、
払えないお金をどうやって払うんだという話だし、
配当だって出来ればやるべきだけど、
出来なければ株主にガマンしてもらうよりほかありません。
その二つを並べてどっちが大切かなんて考えるのは、
自分で仕事をやったことのない人の考えることです。
そもそもそういうことを考えること自体が
ご自分の役に立たないと思います。
もっと自分の役に立つことに頭を使う工夫をして下さい。


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2009年1月29日(木)

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