中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2275回
ムーンチャイルドさんからのQ(質問):
中国政府による株価対策の可能性

Q先生。
楽しみに毎日コラムを読ませてもらっています。
せめてものお礼で手帳も購入しました。

Q先生には今回の株の暴落はある程度予想されていたと思います。
また、何度もこのような暴落を経験されていると思います。
のろまの私は損きりが間に合わず、
昨年のトップから半分程度になってしまいました。
自分の考えで銘柄を入れ替え、
数種の株をまだホールドしていますが、
じりじり落ちるので油汗をかきながら我慢しています。
しかし、PERが10倍を切った銘柄も増えて来ましたし、
2010年5月には大阪万博を超える人数の来場が予想されている
上海万博もこれからあるのですから、
来年春くらいにかけて上がってくるのではと楽観しています。
そういえば、日本がバブル後のデフレで苦しんでいた時に、
アメリカの株価はずいぶん上げましたよね。
歴史は西に回る。
さて、今回の金融危機への対応策が
欧米を中心に各国から出てきていますが、
中国からはまだ出て来ないようです。
中国政府が今後株価対策でなにか手を打つ可能性については、
Q先生はどのように考えられていますか。


■QさんからのA(答え)

中国は経済発展のプロセスで、とても外国の世話になっています。
日本とは逆に、中国は外国資本を歓迎したんですけど、
その条件として長期投資以外は認めませんでした。
短期投資はシャットアウトしましたから
株が下がったり景気が悪くなったりしても
投資された外国資本はそう簡単には出て行けません。

逆にタイとかベトナムの政府は
自分の国の企業が外国資本に買われることを恐れて
長期資金は色々制限した半面、
短期資金は制限しませんでしたので
景気が悪くなると一斉に短期資金が逃げ出しますから、
自国通貨は弱くなるし、被害を受ける企業もたくさん出ました。
中国はその点、受けている損害が
ヨーロッパや東南アジアや韓国に比べてもうんと少いんです。
したがって株価が下がっている理由は
世界の影響も、もちろん少しはありますけど、
それ以上に自国内のサイクルによるものです。
ですから例えばアメリカの大統領に頼まれたら、
胡錦濤さんが、ではお手伝いをしてあげましょう、
ということはありますけど、
アメリカの潰れそうな会社が助けてくれって言ったって、
自分たちがやったことを何で私が助けなきゃいけないの、
というのが恐らく中国政府の立場じゃないかと思います。
それぞれの国の立場が違いますので、
その辺のところを頭に入れておいてください。


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2008年11月22日(土)

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