第2182回
■岸本さんからのＱ（質問）：お財布について

邱　永漢先生へ

最近他人様のお金を扱うようになり、
ぎこちない手つきでお札を数えたりなどしています。
こうした仕事をしていて感じるのは、
お金の表裏などきちんとそろえている方は
期日など他の面でもきちんとしているなということです。

そんな時ふと思い出したのは先生のお言葉で、
誰かが財布を触ったらすぐわかるほど
きちんと札をそろえて入れている。
おつりの受け渡しでも上手な人とそうでない人がいる。
いずれにしても、お金を大切に扱うことが大切。などなど。

そこで下世話な質問ですが、
先生ご自身は財布にどのようにしてお金を入れてらっしゃいますか。
札入れと小銭は別でしょうか。
カード類は何枚ほど。
二つ折りかあるいは折らないタイプのものか。
先生ご自身が財布を持たれることは少ないでしょうが、
今お使いになっている財布の銘柄など教えていただければ
嬉しく思います。

■ＱさんからのＡ（答え）

あなたが、お金をきちんと札まで揃える人は
人に迷惑をかけない人だとおっしゃるのには、
私も賛成です。
でもだからお金持ちになれるということではなくて
ただきちんとしているというだけのことです。

どんな財布がいいかというのも
これは気持ちの問題で、
私自身は、昔は当時で一個15万円くらいの
エルメスのワニ革の財布を使っていました。
いまは、ブルガリの財布を使っています。
うちの奥さんがくれたというだけのことで
別に縁起をかつぐようなことは何もありません。

カードにしても昔は使わなかったのですが、
外国旅行で時々予定を変更して、
新しくホテルの予約をしようとすると、
カードのナンバーをきかれました。
カードはステイタス・シンボルだということがわかって
やっと持って歩くようになりました。
一ぺん北京で落としたことがあって、
拾った人は北京で2000元取ろうと思って
ATMで暗証番号を押したようですけど、
一回でも間違えたら、すぐキャンセルになると見えて、
本社から電話が来て「カードはお持ちですか」ときかれ、
やっと気がついたことがあります。
以来、財布を開けるたびに、
ちゃんとカードはあるか見るようになりました。