第2044回 ■関羽さんからのQ(質問):オイルダラーは何処に
原油価格が100ドルを超え、 しばらくは高値が続きそうですが、 これによって中東の産油国に巨額のお金が流れ込みます。
このお金は国内需要をはるかに超え、 外国に投資されていると聞きます。 このお金の一部は中国にも投資されると思いますが、 中東の国の殆どはイスラムの国で、 共産主義の中国とはかなりのギャップがあると思います。
新疆ウイグル自治区の問題などもあり、 政治的にはオイルマネーが中国に来るのは 少し心理的な壁がありそうに思います。
逆に新興国でもインドは地理的にも近く、 インド人の出稼ぎ労働者や印僑の存在で 中東産油国に近いように思われます。 邱先生はオイルマネーの国際的な動きはどう予想されますか?
■QさんからのA(答え)
6・7年前、石油が1バレル16ドルくらいの時に、 「いまに50ドルになりますよ」という話を 雑誌に書いたことがあります。 それが100ドルになったということは お金の方が多くて、品物が少ないということよりも、 株が下がって株から逃げ出したお金が物の方に動いて、 石油が投機の対象になっている面もあるのではないでしょうか。 そのおかげで産油国の王様たちは 収入が倍に増えるということが現実に起っております。
ではそのお金がどこへ使われるかということになると、 私はそのお金がインドに行くよりは、 アメリカのおかしくなった会社、銀行を買うことに 使われるようになると見ています。 現にアメリカの一流の銀行が損失したお金の補填に困って、 オイルダラーに頼んでいると報道されています。 ですからオイルダラーが それこそニューヨークの証券取引所を 闊歩する時代がくるのではないでしょうか。
その点、中国人はもっと実際的な国民ですから、 紙きれの売買をする所にお金を投ずるよりは、 鉱山の開発をするとか、 石油の開発利権を丸ごと買ってしまうとか、 そんな方面に使うんじゃないでしょうか。 オイルダラーの持ち主はお金を稼ぐことについては 慣れていない人が多いので、 いままでと同じように アメリカのプロに任せることが多いのではないでしょうか。
2008年4月5日(土)
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