中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2000回
ヒロさんからのQ(質問):米国景気の影響について

先生のご見識、いつも感服しています。
米国景気のリセッションが取りざたされていますが、
私も危惧しています。
金融機関からの融資(審査)が厳しくなることによって、
経済が縮小し、住宅市場をはじめとするマーケットが
縮小するのではないかと考えるからです。
この場合、景気の回復に2〜3年かかるのではとも思います。
いかが、お考えでしょうか?

中国の景気は、旺盛な内需市場の存在により、
米国の景気の影響をあまり受けないという意見もありますが、
先生はいかがお考えでしょうか?
先生のお考えを聞かせていただければ幸いです。


■QさんからのA(答え)

人間はよその国に行くのにもパスポートが必要ですけど、
お金はパスポートなしでも、
またそのままの形で入れない場合には、
他の形に化けて行くこともできますので、
世界中お金は筒抜けになって動きます。

したがってアメリカで起ったことが世界中に影響を与えることは、
大なり小なり当然あるわけです。
この影響は、恐らくもう少し長くなる可能性があります。
と同時に、影響の大きい所と小さい所の区別もあるわけで、
ヨーロッパよりは中国の方が影響は小さいでしょう。
快復の度合いも当然違ってくると思います。

いま起っていることは、
金融機関が貸したお金が返ってこないというだけのことですから、
またお札の印刷をすれば片はつきます。
したがって銀行の株の持ち主は変わりますが、
皆が予想するよりはそんなに打撃を与えない、
と私は見ております。

ただ何回かそういうことを繰りかえしているうちに
アメリカが地盤沈下して、ドルの値打ちが下がって、
中国やヨーロッパの発言権が
アメリカを上回る時代が来ることが考えられます。
でも明日にもそれが起るかということではありません。


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2008年2月21日(木)

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