中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第1896回
ノ・ハンジュンさんからのQ(質問):世紀陽光の暴落

Q先生、毒舌の長老として長生きしてください。

さて、肥料製造を行う「世紀陽光(8276)」の株価が
最近、工場の竣工をめぐる問題で暴落しました。
同社の有望性の根拠については、次項を考えています。
1.農業重視の国策に合致
2.バイオ企業
3.肥料の原材料が安価で、
出費といえばワラ刈り取り・運搬時のガソリン代くらい
ただ、諸資料によると、
4.M&Aで規模を拡大
を同社が打ち出しているようです。

この業界を有望だという目で見た場合、
逆にいえば、同社が新工場問題でモタモタしているうちに、
それだけ多く存在する他社が大躍進するのではないか
と心配しています。
また、安易なM&Aは、ライブドアを彷彿させ、
なんだか手抜き経営を思わせます。
Q先生のアドバイスを、よろしくお願いいたします。


■QさんからのA(答え)

私のことを「毒舌の長老」と呼んでいるところをみると、
あなたも私を口の悪い人だと思っているんですね。
それほど世の中に怒鳴らなきゃならない人が多いだけのことです。
本当は私もこのコラムを何回も
「もうやめちゃえ」と思ったことがありますけど、
それが面白いという人もまた居て、なかなかアクセス数は高いんです。
ですからあなたに
妙なおだてられ方をする結果になっていますけども、
別に悪意があってやっていることではありません。

肥料会社の株のことを私にきいていますけど、
私は中国の肥料会社もいくつか見ております。
他の商売をやっていた人が、
最近になって肥料に目をつけて転業して、
そこの会社の少し売上げがふえている程度で、
ほとんど利益は出ておりません。
肥料は売る相手がお金の儲からない百姓なんです。
ですから百姓が儲からなければ、
肥料屋が儲かるわけがありません。
ですからなかなか厳しい商売の一つ
と考えた方がよろしいと思います。

殊に肥料の場合は広い中国のことですから、
肥料を運ぶ運賃の方がバカにならないんです。
石炭を運ぶのとあまり変わりがありません。
石炭の方はタダのものを掘るだけですけど、
肥料の方はつくらなきゃいけないので、コストがかかるんです。
その上に運賃がかかって、
ほとんど儲けの大半が消えてなくなります。

ですから数字だけ見て将来性を期待すると、
思惑が外れる可能性が強い業種の一つと考えて下さい。
私は自分で出かけて行って工場を見せてもらったり、
仕事をやっている本人から話を聞いておりますので、
株を売り買いする皆さんとはわけが違うと思います。


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2007年11月9日(金)

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