中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第1884回
タックス・フリーさんからのQ(質問):経済と税金の因果関係

先生 いつも色々な事で脱帽させられています。
最近のコラムを読んでいると、
それはまるで、太古における中国での
同部族の仲間だけが人であって、
他部族のものは、畜生であり、敵であった時代において
こうした狭い範囲だけに限られた人の意識を
およそ「ひと」をすべて人として扱うことを教え、
また、広く押し進めた孔子のようであります。
「経済」という、現代における
生きた学問の必要性を感じざるを得ません。

そんな前置きはさておき、先生にご質問です。
私の教養の程度に合わせて、お話を説いて頂きたいのですが、
その国の経済が発展している割合と
そこで徴収される税金についての因果関係です。
日本のように成熟社会で税金が高い国と、経済発展が著しい中国で、
香港という場所が用意されている国では、
あきらかに発展の度合いに差がついているのでは?
ということについてです。

先生のコラムでの「不況時におけるインフレの発生」について、
とても気になっております。
それでは先生のご健康をお祈りしております。


■QさんからのA(答え)

収入と税金との関係は時代によっても違いますし、
国によっても違います。

マルクス主義が勢いを得たのは
資本主義によって富の分配に大きな格差が生じたからで、
それを是正するような形で戦後は日本にも累進課税ができました。
しかし、累進課税そのものにも矛盾がないわけではありません。
それをあちこちいじっているうちに
今度は「こんな国に住んでいて高い税金を払うくらいだったら、
もっと安い税金で済む所に引っ越したい」
という人が出てくるのも当然理解のできることです。

あなたが自分をどの位置に置くかということは、
自分の収入とも関係があります。
貧乏な人と怠け者は
国から一杯補助金をもらえる方がいいに決まっていますから、
大半の人は日本に残った方がいいと思いますけど、
最近は「永遠の漂泊者」を目指す人もおります。
その辺のところはその人の考え方によって違いますので、
どちらにも長所と欠点があります。
どれがいいという話より、
あなたはどちらを選ぶかということでしょうね。


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2007年10月28日(日)

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