中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第1836回
春秋さんからのQ(質問):「株民」

いつも貴重なお話を有り難うございます。
2月27日の世界同時株安で持ち株の半分を売却しました。
お陰様で利益を出すことが出来ました。
その後、中国株は直ぐに持ち直し、
5月には中国の証券口座が一億口座(日本の8倍)を突破、
今も増え続け、これらの個人投資家は「株民」と呼ばれているとか。

そこで質問がございます。
2月27日の暴落が直ぐに立ち直った原因は何だったのでしょうか。
「1億の株民」に相場を買い支える財力があったとは
とても思えないのですが。

もうひとつ疑問と質問がございます。
中国の「株民」は株の大暴落の経験のない人々だと思われます。
上がった株は下がるのが道理。
オリンピック終了後辺りで、大きく値を下げたとき
なけなしの全財産をつぎ込んでいる「株民」に
大きな悲劇と大暴動が起きそうな気がしてなりません。
そうなれば、中国と世界の経済に甚大な影響を及ぼすと思われます。
それともこれは私の単なる取り越し苦労でしょうか?

ご教示いただければ幸甚です。
先生のご長寿と益々のご健勝をお祈り申しあげます。


■QさんからのA(答え)

株というのは高速道路を走るのではなくて、
海の上を船で航行するようなものですから、
波風があるのは当り前なんです。
そんな心配をいちいちやっているようだったら
航海なんかできないと思います。

株式市場の動きを神経質に解剖して、
売ったり買ったりするのではお金とは縁がないと思います。
海の荒れるのを前提として、
どうやってその中を上手く渡るかというのが株式投資なのです。
いつも言うことですけど、
「相場をやっちゃいけない。成長を買え」
というのが私の基本的な考え方です。

いま中国は高度成長の最中で、
やっと人手不足の時代に入ってきましたので、
これから皆の給料が上がる方向です。
日本でもそういうことがあった時に、
多くの人が株をやるようになりました。
中国は日本の10倍人がいますから、
当然10倍のスケールでそういうことが起るし、
中国人は日本人よりお金に敏感ですから、
もっと大騒ぎになるということです。

でも全体として富がふえる方向ですから、
すぐにも大暴落でおかしくなるなんてことはありません。
日本も経済成長期に入って株をやる人がうんとふえましたが、
バブルがはじけて大悲劇に見舞われましたか?
中国の経済成長はこれからはじまるところですよ。
そんなよけいな心配をするなら、株なんかやらないことですね。


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2007年9月10日(月)

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