第1169回
■かんきょうさんからのQ(質問):中国の人材育成に関する意識

中国に行って、
環境モニタリング技術に触れる機会がありましたが、
分析技術開発のレベルはまだまだ低く、
高度な分析技術者の育成も
なかなか行き詰まっている印象を受けました。

現在、技術指導で年に2回、1週間程度訪中していますが、
これでははなはだ不十分な状況です。
継続的な技術指導及び人材育成に関する
コンサルテーション事業を考えているところですが、
中国ではそのようなものを受け入れる環境にあるのでしょうか。
どうもビジネスとしての受け止められ方をしていないように
思われてなりません。


■QさんからのA(答え)

日本の人は日本で環境問題で散々苦労をしているので、
環境汚染を直す仕事にみんなが関心を持つようになりました。
それに比べると中国は何を考えているんだ、
とお思いになる方が多いようです。

しかし、環境汚染がなければ
環境汚染を直す仕事がはじまるわけがありません。
まだ汚染が進んでいないときに汚染を防止するということは
産業としては成り立たないと思います。
やがて中国がえらい目に合って、
その後にやっと環境産業というのが出てくると思うんです。
その先回りを日本人がやりたがるんですけど、
汚染がはじまる前に汚染防止はできません。
したがってそういう人を養成することも
商売にならないと考えた方がいいと思います。

台湾も南の方に行きますと、
石油化学の工場ができて、海まで汚染されています。
あの辺のエビは食べちゃいけないということになっていますけども、
私たちにできることは
環境汚染をどうやって防ぐかということではなくて、
その辺のエビは食べないことです。


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