第1025回
■睡龍さん
からのQ(質問):ジャーナリストの心構え

邱永漢様
いつも楽しく読ませていただいております。

僕は去年まで広州で3年間経済の勉強をしてきました。
社会人にはなったばかりで、
これから方向を決めていこうというところです。
いろいろなことを知って、
文章を書いて多くの人に読んでもらう
ジャーナリストの仕事をしたいと思います。
邱様のような短くてもビシッ!とした文章が
書けるようになりたいです。

修行の仕方とか、心構えのようなアドバイスを
お願いできますでしょうか。


■QさんからのA(答え)

文章というものは
それぞれの人によって書き方も違えば、
人にあたえる印象も違うのは当然です。
文は人なりと言うように、
文章を読めばその人が大体どんな人かがわかります。

世の中には要領の悪い人が結構いっぱいいまして、
もたもたと何を書いているのかさっぱりわからない、
しゃべっているのも何を言っているのかわからない
という人がたくさんいます。
ですから私は
3分間で自分の言うことを全部しゃべれる練習をしなさい
と言っております。
上の人ほど忙しくて、時間がないんです。
そういう人にくどくど言うと
私なんかも途中で何回ももう追っ払いたくなったりいたします。
ですから自分で訓練して手短に話をすることができなければ
社会に出ても出世はできないし、
ましてや文章を書いて、
それで生活をすることは到底できないと思います。

それを上手くやれるかやれないかは
練習による部分もありますけども、
本人の才能というのも関係がございます。
その二つを兼ね備えるのはなかなか難しいと思いますので、
全精力を集中して訓練する覚悟が必要です。


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