第1001回
■みとっぽさん
からのQ(質問):原材料=富

いつも、とても興味深く有益なお話をありがとうございます。
付加価値と原材料価値について質問させていただきます。

従来、「付加価値=富」と考えられてきました。
しかし、最近では企業は、
付加価値の高い製品を作っても、すぐに供給過剰に陥り、
また、原材料価格の高騰にも打ちのめされています。
しかも、この傾向は、
中国やインドなどの急激な経済発展によって、
当分続きそうに見えます。
そうであるならば、今後は、
「原材料=富」という考え方も成り立つようになるでしょうか。
Q先生のお考えをお聞かせ頂けましたら、幸いです。


■QさんからのA(答え)

新しい富は、付加価値によって作り出されるものであることを
戦後の日本が証明しました。
いまその付加価値が大移動して、
日本から中国へ移りつつあるというのが、私の認識です。

同時にそのプロセスで、
今度は13億の人が金持ちになって物を買うようになりますので、
物が足りないということが起こって、
資源の不足がこれから起こるところです。

そうすると、
今まで加工をやってた国の人たちの顔色を伺っていた、
カナダやオーストラリアの人たちが、
途端に金持ち面をすることが無いとは言えません。
でも、どんなに石炭をたくさん掘り出しても、
石炭を加工して使える形にしなければ値打ちはありません。
したがって原料高の製品安という形が
変わることにはならないと思います。

ただ、どこにたくさんお金が支払われるかによって
分配に変化が起こります。
その変化には注意される必要はあると思います。


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