第920回
みとっぽさんからのQ(質問):不動産価値の考え方

いつも有益なお話をありがとうございます。
中国の不動産価値の考え方や留意点について、
質問させていただきます。

Q先生の著書『デフレに強い知的金銭生活』
「土地神話の晩鐘を上海で聴いた」と題する章を読みました。
この中で、建築工法の発達により、
空中権の利用法が格段に上がったこと、
建ぺい率や容積率を調整することで、
不動産の供給をいかようにも増やせる可能性があること、
そして、土地はビルをつくる
原価の一つにすぎなくなってしまったことを、
指摘されていらっしゃいます。

目からウロコが落ちる思いがし、同時に、ギョッとしました。
というのも、今後しばらく、
中国の不動産価格が、どんどん上昇するとしても、
将来的には、注意すべき要素になると感じたからです。
そこで、中国の不動産や不動産株へ投資する場合、
このような点も含めた、
中国特有の不動産価値の考え方、留意点を、
ご指導下さいますよう、お願い申し上げます。


■QさんからのA(答え)

日本では建蔽率というのがあって、
せっかくいい場所にある土地でも
建蔽率によって建築面積が制限されるということがずっと続きました。
それが日本の不動産の値上がりを促したと思います。

それに対して中国では
政府そのものが商売人みたいなところがありまして、
同じなら高く売れる方がいいと、建蔽率を緩やかにして、
建蔽率によって土地の賃貸料を引き上げる
ということをやりました。
私はそれを見て、中国では日本と違って、
土地があればいくらでも空間を利用するというやり方をするから、
日本のような不動産の値上がりをすることはないんじゃないか
と本に書いたことがございます。
その考え方自身は今も変わっておりません。

しかし中国はこれから経済が発展する段階へ入る所です。
しかもまだみんな自分の住む家もまともな形で持っていません。
経済が発展すれば工場だって事務所だって
いまよりうんと大きなスペースが必要になりますから
まだまだ間に合わない状態にあります。
そうした状態が続く間は中国の不動産の値上がりはまだある、
と考えていいと思います。
ただ、中国の人たちは
不動産の売買を株の売買みたいに投機的なやり方でやります。
そこのところを間違えると怪我をしますので、
十分気を付けて下さい。


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