■QさんからのA(答え)
ローンを借りて家を買うというのは
そんなに長い歴史のあるものではありません。
私が東京へ来て昭和34、5年ごろにマンションを買い始めて
その時にローンがあればいいなと言ったんですけど、
まだローンはなかったんです。
その後みんなが豊かになって行く過程で家を買う場合
足りないお金を銀行が貸すようになりました。
住宅ローンが定着してからまだ半世紀も経っていません。
それまで日本人は金を借りるということをものすごく恐れていました。
今の若い人は平気で自動車ローンだろうと
つまらないものを買うのまでローンで買ったりしておりますけども、
それ以前はみんな借金をしちゃいけないというのが当たり前でした。
それをお金を持たない人にまで物を売りつけるために
商売人が考え出した悪知恵の一つです。
お金を払う側からしてみれば、
そういう制度を上手く利用することも全く出来ないわけではありません。
お金の値打ちがどんどん小さくなる時だったら
ローンは長いほどいいんです。
月給の方が上がって、借金の方は相対的に減りますから
日本の経済がどんどん発展して
それに反比例してお金の値打ちの方が下がっていく時代なら、
私もローンでお金を借りて不動産投資をすすめました。
でも、デフレの時代に入ると逆にお金の方に値打ちがあって
月給の方がなかなか上がらないということが起きますから、
ローンでお金を借りているほど
たくさんお金を払わされることが起りました。
しかも買った家の値打ちが半分以下に下がるという
踏んだり蹴ったりの状況になることが現に起りました。
ですから借金を返済するだけの能力があったら
借金を無しにしてしまった方がいいという場合もあります。
現に返済出来るだけの預金を持っていたら、
ほとんど利息がない銀行に預金しておくよりは
返済して借金はなしにした方がいいと思います。
預金にほかの使い途があれば別ですが。
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