第582回
■あおさんからのQ(質問):今後の台中関係

Q先生
毎日貴重な情報をご提供いただき、大変ありがとうございます。
台湾総統選挙が終了しました。
その後の与野党の攻防は、まるで子供の喧嘩のように見えてなりません。
その喧嘩により、台湾の株価は大暴落し、
投資家にとっては迷惑千万な話かと思います。
Q先生にとっては、こうした結果は
おおよそ予想通りでしたでしょうか?

未だ選挙結果は確定していないような状況ですが、
今後の台湾の政局および中台関係の進展について、
Q先生の見方をご教示いただけたら幸甚です。
これからも、Q先生の八面六臂のご活躍を楽しみしております。


■QさんからのA(答え)

台湾の総統選挙は新聞でもおわかりのに、
まだはっきりと決着がついておりません。
私が台湾に入ったのは投票のあった翌日ですけど、
台湾中がほとんど真っ二つという形になって
3万票少なかった方がいちゃもんをつけて
総統府の前で何日も座り込みというのが続きました。
アメリカが改めて陳水扁さんの方に祝電を打って
その後台湾市長が警察を動員して
力でなく「お願いします」といって
みんな解散してもらうということになりました。

300万人に登る全島的なデモをやって
ただ一人もけが人を出さなかったというので、
これは世界記録の一つではないかと逆に台湾の人が誇りに思っています。
しかし、問題はこれで片付くわけではありません。
たぶん投票用紙をもういっぺん初めから見直すことになると思います。
その場合でも、いまの形が変わるというチャンスは
少ないんじゃないかと思います。
しぶしぶでもいまの形をかつてのアメリカのように
認める可能性は強いと私は見ております。

しかし、実は誰が次の台湾の総統になっても、
台湾中が真っ二つに分かれたことははっきりしています。
大陸との関係にしても、過去の4年間は
ほとんど何の進展もないやり方だったんですけども、
それをかなり積極的に手直しをしなきゃいけないと思うんです。

私が前に李登輝さんに直接言ったことなんですけど、
自分に味方をしてくれる人のことを考えるより、
自分に反対した人たちをいかに納得させるかということを考えて
台湾の政策を進めてくださいということと、
同時にまた台湾の立場がありますから
中国の省の一つとして配下に置かれることには
台湾の人たちは納得できないので、
その辺の所をいかにして台湾の立場を認めさせるかが最大の仕事です。
でも、この二つのどちらも利害が相反するところがあります。
その辺の所をうまくやらなきゃいけないというのが
次の総統の使命だと思っております。


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