| ■QさんからのA(答え)  私の家には専属のコックが長いことおりました。日本ではどんな金持ちの家も
 コックのいる家は見たことありませんけど、
 中国では政治家の人でも事業家でも、
 自分の家で人をもてなすことが多いので、
 コックさんのいる家が珍しくありません。
 私の家でも東京でしばらく貧乏生活をしていた時は家のかみさんが料理を長いことやりましたけど、
 少し生活に余裕ができるようになったときに
 家内に何かしてもらいたいことはあるかと聞きましたら、
 「私がお客さんのご飯を炊くよりも、
 私が食べさせてもらう方にまわれないでしょうか」というので、
 中華料理のコックさんを雇いました。
 でもコックさんを雇うことが、どれだけ難しいことかあなたには想像はできないと思います。
 家にコックがいた時は、
 5人家族で1ヵ月の肉屋の勘定だけで15万円だったんです。
 何十年前も昔の話しです。
 コックが休みで帰っていた時は1ヶ月たった3万円で済んだんです。
 コックを雇うということは、コックが無駄を出しても
 じっと我慢をするだけの度量が必要です。
 コックを雇うことは贅沢だとお思いになるかもしれませんけど、
 実は精神修養なんです。
 この話を私が文章に書きましたら、丸谷才一さんがそれを見て、
 「自分もコックを持つ身分になりたいと思ったけど、
 邱さんの文章を読んだとたんに諦めた」と書いておられました。
 あなたが将来大金持ちになったとしても、
 精神修養をする積りでなければ
 コックを雇うことは難しいと思います。
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