■QさんからのA(答え)
政治家をやる気はないかというご質問ですけど、
私は何にでも興味がありますので、
今から24年前、55歳の時に
参議院議員に立候補したことがあります。
どうして立候補したかというと
そのころ、中国が日本に製鉄所を作りたいということで
日本は三千億円ぐらい貸したと思いますが、
中国が借りた金が返せないということも
起るのではないかと考えて、
そういうことが起った時に日本側の交渉役をやることができれば、
中国に少しは発言権を得ることができて、
台湾の将来をどうするかということについて、
こちらの意見も聞いてもらえるのではないかと思って
立候補したのです。
ほとんど選挙運動をやらずに、
自分の知名度だけで軽く50万票は取れると思っていましたら、
15万票しか取れませんでした。
それではじめてわかったんですけど、
選挙というのは難しいものなんです。
人の世話になっても恥ずかしくないという気持ちがないと
とてもじゃないけどやれません。
選挙後、飛行機の中や駅でばったり会った人に
「わたしもセンセイに一票を入れたんですよ」なんて言われると
最敬礼をしなくちゃならなくて、
こんな割に合わない仕事はないなと思いました。
幸い、うちの奥さんにもう一度立候補したら離婚すると言われたので、
それでおしまいになりました。
選挙の票は億のお金の税金を払う人も、
税金を払わないで逆に国からお金をもらって生活している人も
同じ1票なんです。
ですから税金をたくさん払った人の意見というのは、
政治に反映されないものです。
それからもうひとつは
日本の国は議員を何年やったかということで発言権が決まります。
ですから、政治家として発言権を得るためには
若いときから政治の世界でやってないと駄目なんです。
当選歴5回とか10回とかになると
ポーっとした人でも偉い人になれてしまいます。
そういう点で、年になってから
議員に立候補したのでは間に合わないシステムなんです。
あなたは政治の仕組みが
どうなっているかということをよくおわかりにならなくて、
ただこういう人の意見だったら国のためになるのではないかと
お考えになっているんだと思います。
従ってあなたのおっしゃる意味は判りますけども、
政治家として世の中に貢献するということは
もう私の年では難しいですね。
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