第345回
■メイジーズさんからのQ(質問):非営利事業に対する考え方

私は、非営利セクターで舞台芸術のプロデュースに
携わっているものです。
昨今、舞台芸術界でもアジア間での交流が盛んと
なってきていますが、官主導の交流プロジェクトなどでは、
やはり検閲がある国があって、
本当に創造的な作品が生まれてきません。

そこで、香港、シンガポールの中華系の友人達のネットワークを
使って、民間で氾アジア的なアートセンターの設立を
考えています。表現の自由を確保するため、
プロジェクトごとに各国の公的助成金を利用しながらも、
民間の資金を集めたいと思っています。
友人達との付き合いを通じて、
中華民族が非常に現実的な発想をすることは実感していますが、
このような非営利プロジェクトに対して、
中華系の企業がスポンサーになってくれるかどうか、
知りたいと思っています。

香港などでは、イギリスのチャリティの伝統があるので、
福祉系などの事業への寄付はあるようですが、
文化という効果すぐに見えないものに、
お金を出すということは考えられますでしょうか?
各国の芸術祭などのスポンサーは、アメリカ系企業など、
いわゆる外資系が多いようです。

現実的には、もちろん企画内容が説得力を持つか
どうかということにかかっているかと思いますが、
一般的な中華系のメンタリティを教えて頂ければ幸いです。


■QさんからのA(答え)

このごろは芸術とか文化などの方面でも
国際的に手をつないでやろうという動きがふえています。
でも不思議なことに
自分のお金を使わないで
人の金でそれをやりたいと考える人が多いんですね。

人の会社に寄付をしてもらおうといった
虫のいい考え方をする人がたくさんいます。
私なら人のお金を当てにしないで自分でやります。
ことに中国の場合は
自分と何らかの特別関係が無ければ
お金を出す人は少ないと思います。
例えば音楽賞をやっているものもあれば、
映画賞をやっているものもございますが、
それはその辺からお金を集めてきてやるんじゃなくて、
そういうことをやりたいと思っている人が自分でお金を出すか、
あるいは、そういう団体が出しているのです。

ですから、無差別に自分たちが企業へ行って頭を下げたら
金を出してくれるということは無いと
お考えになったほうがいいと思います。
国によってお金を出す感覚はみな違いますので、
企業の金を当てにするよりも
自分の金を当てにするか、
自分たちで事業として成り立たせるように
工夫をする方がいいと思います。


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