第223回 ■SHERPAさんからのQ(質問):この先10年の株価
昔読ませてもらったQさんの書籍の中で、 「株の値段は、どの10年間をとっても2倍になっている。」 という記載が、今でも強く頭に残っています。
おそらく日経平均のことをさしておられると思うのですが, さすがにこの話は現在ではもう通用しませんよね。
ここのところ株価は半分に下がっているということは、 10年ぐらいのスパンでこれから4倍にも上がってくるなんて、 どうも考えられないのですが。
■QさんからのA(答え)
昔、私が書いた本の中に株の値段は どの十年を切っても倍になると書いてあったと ご記憶のようですけど、それは間違いです。 私が書いたのは、インフレの時はどの十年を切っても 物の値段は倍になっているということです。
物価が十年間に倍になるとすれば、 7%の複利計算をして10年でやっと倍です。 ずっと経済成長の続いていた間は定期預金の金利は6%でした。 多くの日本人は一生懸命働いて貯めたお金を 銀行へ持っていって寝かせていたんですが、 6%では10年たっても元にならなかったことになります。 ですから私は定期預金なんかしないで、 そのお金で株を買ったり、土地を買ったりした方が よろしいと言ったのです。
しかし、これはインフレの時代の話でありまして、 いまはデフレが支配しておりますので、金利はタダみたいだし、 物価は倍になるどころか、 逆に下がるということが起っていますので、 いまは頭の切りかえが必要です。 最近のことがわかる本としては 「新メシの食える経済学」(グラフ社刊) 「デフレに強い知的金銭生活」(PHP刊) などを読んで下さい。