第176回 ■松本さんからのQ(質問):体制の変動に対するリスク
こんにちは。毎日欠かさず見ています。 都内に住む松本と申します。 男性で33歳、サラリーマンです。
中国の将来についてお伺いします。 今世紀は中国の時代という論調を多く見かける昨今ですが、 ここ数十年の流れの中で、経済発展とともに起こるであろう 体制の変動に対するリスクについて Qセンセイはどうお考えでしょうか。
人民がお金を持ち始めると 社会情勢が変わってくるのではないでしょうか。 賃金闘争による運動が起きたり、 下手をすると国を分裂させるような事態が起こっても 不思議ではないと思えるのです。
いつか胡錦涛が力を失い、 曽慶紅がゴルバチョフになる日がくるだろうと言う人もおります。 それでも経済が発展することは間違いないとは思うんですが、 高度成長の果てに起きるそういった闘争や運動が勃発し、 国が混乱し外国資本が一時的に逃げていく というようなシナリオは十分に考えられます。 個人的にはチベットの問題なども気になります。
センセイはどう見られるのでしょうか。
Qセンセイもスタッフの方々もがんばってくださいね。
■QさんからのA(答え)
中国の将来がご心配なようですけど、 傍で見ているほど危ないものではありません。 経済の発展というのは社会全体を変えていきますので、 その中で生きている人たちのものの考え方を変えます。 その考え方が体制と一致しなくなった時に 体制が生き残ろうと思ったら、 それについていくよりほかありません。
台湾を見たらわかりますが、 台湾は昔政府がものすごく威張っていて 人々をあごで使うような時代が続いていましたけど、 経済が発展したら体制そのものがすっかり変わって、 いまでは警察でも憲兵でもすっかり低姿勢になって、 みんな人々の顔色を伺いながら仕事をしております。
同じように中国も経済が発展して みんなの考え方が変わったら、 体制そのものも変わると思っております。 現にだんだん人民の発言権の方が強くなっていますが 政府もそれに対応した姿勢に変わっていますので、 強圧的な弾圧をするのでない限りは 革命や反乱ということにはまずならないでしょう。 ですから、あなたが心配していることは まず起こらないと思ってください。