| ■ QさんからのA(答え) 好きな歌って何ですかって聞かれても困るんですが、人間の耳というのは音を入れるところが一杯になっちゃうと、
 もうほかの音は入らんそうです。
 どうして懐かしのメロディがあるかというと、
 年齢で耳の中が一杯になってしまうからです。
 だから、耳なれた音楽がその人の年齢を教えてくれます。
 私たちの頃は戦前ですから、その頃に聴いた歌謡曲が自分の頭の中に詰っております。
 ですから、死んだ時はわけのわからないお経を聴くよりは
 やっぱり自分の耳に入りやすい歌謡曲の方がいいと思って
 私は自分が死んだ時には坊さんを呼ばないでくれと頼んであります。
 友達の葬式に行ってお経を聴かされる度に、
 生きてる人間が聴いてもわからないのに
 死んだ人がわかるわけがないと思って、
 私が死んだ時だけはお経の代わりに
 私の好きな歌謡曲で送ってくれと頼んであります。
 僕らの頃の歌謡曲といえば、懐かしのメロディに入ってしまいますが、
 私の『死に方、やめ方、別れ方』という本の中に全部書いてありますので、
 詳しくはその本を見て下さい。PHP文庫にあります。
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