第39回 ■ のりこさんからのQ(質問)
邱 永漢 様 はじめまして、いつも楽しく読ませていただいております。 皆さんの質問を読んで、私も、、、と思いメールさせていただきます。
私の主人は22歳の時に独立し、 小さい小さい自動車鈑金塗装工場を営んでおります。 今年で11年目を迎えてふっと思うのですが、 このような商売は、車が元の様に戻って当たり前で、 特に付加価値があるものではないので、 お金を支払ってもらう時、どうも値切られたり、 もったいないものにお金を払うというような意識になるようです。
少し前までは、車の傷はなおして乗るというのは 日本では当たり前でしたが、 今、この時代、人が喜んでお金を払ってくれる商売から 少し外れてきてしまっているように思います。 このような仕事はどう思われますか? また、定価というものが無く 値切るという事が比較的容易な商売をうまくやるコツを教えて下さい。
■ QさんからのA(答え)
これは奥さんの方から見たご主人の商売についてのご相談ですが、 確かに自動車事故なんかを起して壊れたのを修理するというのは、 本人にとて非常に不愉快なことです。 そんなお金はできるだけ出したくないという人相手の商売ですから、 難しいことは難しいんです。
でも、塗装や板金はコストがかかるというよりも労賃仕事ですから、 相手に気持ちよくお金を払ってもらえる工夫が大切です。 値段が決まったものを売っているよりはよっぽどやりやすい仕事です。 自分たちの仕事の難しいところばかりを見ていると、 隣の商売がよく見えるというのはよくあることなんです。
でも、私が見ていると、店を持って物を売っている仕事よりは、 ずっとボロイところがあると思うんですよ。 値段をいくらにするか、自分たちで決められるんですから。 だから、奥さんが先頭に立って、 お客さんに気持ちよくお金を払ってもらえるような方法を お考えになった方がよろしいんじゃないでしょうか。