■ QさんからのA(答え)
昔、私が書いた推理小説のことを覚えている人は少ないと思います。
実は江戸川乱歩さんに私が勧誘されて、
「邱永漢さんの文章を読んでたら、極めて論理的な文章だから、
推理小説は書けるから、書け書け」
と言われて、「小説宝石」というのにしばらく連載をいたしまして、
それを光文社から『被害者は誰だ』という題名で出したことがあります。
もう随分昔のことで、何しろ推理小説は一冊だけですから、
こっちはもう忘れておりますけども、覚えていただいてありがとうございます。
今、中国株をお買いになっているようですけども、
ご指摘の通り、A株とB株というのは、はじめは同じだったんですね。
それが時間がたつうちに、B株はドルで買える株で、
したがってドルを持っている人が世界中のどこでも投資が出来ますから、
他のところと比べてみるとB株が見劣りする、
ことに会計制度はあてにならん、中国の政治がどうなるか心配だ、
というようなことがあって、少しずつ下がって行って、
とうとう一番多いのは10倍なんですね。
10倍になっているような会社の株は、
実は外国人から見るとあんまり良くない株です。
内容が良くないから売られているわけですけど、
面白いことにB株の値上がり方を見てもわかるんですけど、
戻りになりますと、ボロッ株の方がよく上がるんですね。
実は投機が集中するからなんです。
安い分だけ倍率も高くて当たり前だというような金が集まるんですね。
ですからボロッ株だからと言ってバカにはできないんですけど、
私たちのように、長期的に持つ人は
いろんな目に遭ってもあまり心配のない株を買うのがいいと思います。
そういう株は、ちゃんと配当もしているし、その分だけでも
いま日本で定期預金でもらうよりははるかに高いわけですから、
長期的に持続してもよろしいんじゃないでしょうか。
おっしゃるように、中国の株はまだまだ成長期にあって、
少なくとも2008年のオリンピックまでは拡大が続くわけですから、長期持続に賛成です。
それから先がどうなるかということについては
またその時になってから心配することにしましょう。
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