第31回
たえず自分で研究する心構えがあれば、株で大損することはない
株も貯金と同じように考えていると、
つい人に言われたとおりに買ってしまうんです。
よく、何もわからないうちに
セールスマンの口車に乗せられて、
大損する人がいます。
そういう人に限って、
「自分は株に向いていない」などと言うのですが、
私に言わせれば、株の研究を怠っただけのことです。
貯金は、温室で子どもを育てるようなものです。
一生、温室にいるつもりなら、
それでもいいんですけれど、そうもいかない。
社会に出て、ちゃんと一人で生きていくためには、
いろんなことに慣れさせなければいけない。
ときには、つらい目に合わせるのも、教育というものです。
株も同じで、たえず自分を訓練することがたいせつなんです。
そうすれば、結果として交通事故に合わずにすむし、
たとえ事故にあっても、致命傷は避けられる。
歩行者天国ばかり歩いていると、
車のほうがよけてくれるんじゃないかと思いかねません。
人間には、自己防衛の本能がありますから、
百万円貯まったからといって、
全部ポンと株を買ってしまう人はいないでしょう。
自分なりに研究して、
まず二十万円とか三十万円だけ買う。
とたんに今度は、株価が気になってきます。
たとえば、あっちの株を買っておけばよかったとか、
これなら始めから全額買っておくんだったとか、
あれこれ考える。
こんな具合に、すこしずつ慣れていくのが、
ふつうなんじゃないでしょうか。
人によって運不運はあるけれども、
最初から大儲けできる人など、
千人に一人もいないのが現実です。
いま一世帯平均約千三百万円ほどの貯金があるそうですが、
たいていの人は家やほかの財産も持っています。
その一部として、現金を持っているのです。
いつのまにか、自分では意識していないうちに、
現金が形を変えた財産を運営しているのです。
家を買うときも、ある程度は勉強したでしょう。
しかし、これから財産をつくろうと思ったら、
何らかの形で現金を運用することを考え、
それを実行しないと、生きていけない時代なんです。
その意味で、今後、
株式投資の重要性はどんどん増していくんじゃないですか。
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