死ぬまで現役

老人を”初体験”する為の心構え




第98回
ウーロン茶ではやせない

健康を維持するために、
なるべく素材に近い形で「生きた」食物をとりなさいとすすめる人がある。
かと思えば、消化しやすいようにジュースにして口に運べという人もある。
粗食をすればするほど長生きできると主張する者もある。
あるいはそうかもしれない。
これに対して、私は美味しい物を食べて、
あまり長くなくてもよいから楽しく生きられるのが良い人生だと思っている。
美味しい物が身体に悪いという考え方にはとても同調できない。
美味しい物が身体に悪いわけがないと思う。
しかし、美味しい物なら何でも好きなだけ食べたらよいということではなく、
多分、食べることにも理に叶った食べ方と、
理屈に合わない食べ方があるに違いない。

アメリカに行くと、道を歩いていても、
飛行機に乗る時も、超肥満の男女たちと
出食わすことがしばしばある。
あれも好きな物を好き放題に食べた結果だろうが、
きっとどこかでルール違反をおかしているに違いない。
たまにそういう肥った人と食事を一緒にすると、
「食べるわ食べるわ」と感心するほどよく食べる。

それも食べる物に好みがあって、
同じ物を大量に食べる。
あんなに食べたら、肥らないわけがないし、
いったん、肥大化した身体を維持するために
もっと食べなければならなくなるだろう。
栄養をすべて身体の維持にまわしていたら、
頭を回転させる余裕があるわけがない。
したがって人間社会にあって指導的な役割をはたしている人物で
超肥満型は残念ながらほとんど見当たらない。

アメリカに比べると、ヨーロッパでは肥った人にはあまりお目にかからない。
アジアにくると、もつと少なくなり、
日本でもたまに肥満児を見かけることがあるが、
昔ほど超肥満型の人に出会わなくなった。
デパートに行くと、キング・サイズのコーナーがあるが、
この頃ではそんなにお客の姿を見かけなくなった。
若者の背丈が伸びたので、普通の売り場にも、
180センチの人が着られるサイズがおかれている。
そのせいもあろうが、
背は高くても超肥満型の人は少なくなったといってよいだろう。
日本人が自分の姿カッコに気をつけるようになった何よりの証拠でもあろう。
中国人の社会に行くと、肥満型はもっと少なくなる。
男はもとより、女の人で肥った人に出会うことはほとんどない。
そういう事実に目をつけて、
「それは中国人がウーロン茶を飲んでいるせいだ」と宣伝して
ウーロン茶を日本人の間に定着させた頭のいいお茶屋さんもある。
「本当ですか」とよくきかれるが、
そういう話は中国人の間できいたことがない。

そう思っている人もまったくいない。
現に私の家族にも肥った人は一人もいないが、
ふだん家ではウーロン茶を飲んでなんかいない。
ふだん家で飲んでいるのはほうじ茶である。
じゃ、肥らない原因は何だときかれたら、
美味しい物を好きなだけ食べることと、
食べ物の種類が多岐にわたっていて、
毎日、同じ物を食べないことであろう。

日本では豊かになるにつれて、
糖尿病患者がふえて問題になっているが、
よく考えてみると、糖尿病患者が少なかった時代に比べて
日本人は長生きするようになったのだから、
きっと他の病気が減って、
糖尿病患者だけが目立つようになったのであろう。
それでいて、肥満型が減ったとすれば、
豊かになるにつれて、食べ過ぎはあるかもしれないが、
食べ物のバランスはかなりよくなったのではあるまいか。





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2015年7月6日(月)

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