“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第726回
総集編8 里山活動は美味しい体験がいっぱい

このコラム執筆も今週いっぱいとなった。
今日を含めてあと5編。
いろいろと書きたいことがいっぱいある。

美味しさを探求して源流を遡り、
いきついたことは自然の食材という原点。
蕎麦栽培、野菜栽培、野外での宴会などを体験して、
手作業で育てた農作物の美味しさを知った。
日本は、自然との共生を基本とした農業を、
千年以上の年月をかけて培ってきた。
それが、戦後の効率重視の農業政策によって、
いまは失われようとしている。

現在、農薬を使うことへの危機感は
色々なメディアで取り上げられているが、
日本の伝統農業が廃れていく現実への問題提起が
少ないように感じられる。
どんなことにも社会継続性が強く唄われているにもかかわらず、
自然環境への配慮をしながら改良されてきた伝統的農業が、
経済的に成立しない社会になってしまっている。

栃木県馬頭ののどかな里山のなかで蕎麦を手作りで育てて、
それを収穫し、その畑の脇の林のなかで行う炭火焼の宴は、
人間も自然の一部であるということを強く感じさせる。
そして、そこで食べる自然の恵みの美味しさにより、
自然への感謝の気持ちがいっぱいになる。

昨年の春から開始した椎茸の原木栽培は、
馬頭の気温が3月は低かったために、
収穫は半年ずれて今年の秋になった。
これも自然まかせの農業の結果。
収穫が愉しみだ。
さらに、今年から始めたナメコの原木栽培の結果も愉しみ。
種を仕込んでから、一年、二年と気長に待つのがまたとてもいい。
今年の蕎麦栽培も現在準備中。
今週末には発足会を兼ねて、手打ち蕎麦教室を開催する。
蕎麦も同じように栽培しているにも関わらず、
毎年その個性が違う。
このように、自然と向き合って長年の経験を積み重ねてきて、
初めて蕎麦というものの本質がいくらか分かったような気がする。


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2007年7月2日(月)

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