“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第713回
京都「乃し」は相変わらず絶好調

津市での仕事が終わって、
日本機械学会の基礎セミナーの講師をするために
京都に1泊した。
京都は旨い店の選択肢が実に多いが、
久しぶりに「乃し」を訪問することにした。

北山駅から歩いて3分ほどのところに1年半前に移転してから、
二度ほど訪問している。
以前の店の雰囲気は残しながら、
モダンで瀟洒な店構えとなり、
かつ、カウンターもテーブル席も
スペースがゆったりとした設計になっていて、くつろげる。
カウンターに座り店主の矢口さんと女将さんに挨拶をする。
ここに移転してからは、懐石コースは五千円からで、
今回は一万円のコースをお願いした。

まずは、冷たい茶碗蒸しの上にジュンサイを浮かべた
小グラスが提供される。
雨が降っていて蒸し暑さを感じる日だったので、
まずは生ビール。
次の料理は自然薯のソーメンの上に海胆を乗せたもの。
北海道産の海胆は甘みがあり、
自然薯のトロミとシャキっとした食感とのマッチングが
素晴らしい。

そして、蛸の柔らか煮。
とても柔らかく丁寧に煮てある。
少し甘みがついた味付けもいい。
こちらでも、昨日に続いて黒牛の純米の燗をいただく。
蛸との相性もなかなのもの。
次がゴリの佃煮。
辛すぎず、ゴリの甘みで酒が進む。
そして、いよいよお造り。
ふた皿分けて提供される。
大きめの褐色の皿には、
シマアジ、鯛、烏賊、鮪に鱧が綺麗に並べられている。
そして、小さい皿にはトリガイを炙ったものが、
貝の上に並べられている。

どれもいい素材を使っていて美味。
特にシマアジが秀逸で、脂の乗り具合がとてもよく、
食べるとプルンとした食感。
噛めば、なかから甘みが広がる。
トリガイを炙ったものも、貝の旨みが見事に引き出されている。
そして、「乃し」の懐石コースはまだまだ続いた。


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2007年6月13日(水)

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