|  第574回簡単、超美味酒肴
 先日は知り合いが大学の研究室に訪ねてきた。こういうときには
 秘蔵の日本酒かワインをご馳走することにしている。
 今回は純米無濾過生原酒を酒肴に合わせて提供することにした。
 そこで、料理をどうするか迷ったが、
 簡単に出せるものにした。
 以前は大学に結構自前の調理道具を置いていたのだが、最近は研究室の学生が増えて、スペースがないので、
 必要最低限のものに絞っている。
 そこで、ちょっと炙って食べられるものを考えて、
 以下のお品書きに決定。
 ・ 前菜 梅酒の梅の和三盆炊き・ 八寸 宮城屋の豆腐数種
 ・ 焼き物 西崎ファームの合鴨燻製
 ・ 強肴 西崎ファームのバルバリ鴨のコンフィ
 まずは、梅。これは、梅酒造りに使用して、
 5年間そのまま漬けてあった梅を取り出し、
 岡田製糖の和三盆で煮たもの。
 梅がひたひたになる程度に水を張って、
 和三盆を入れ、落し蓋をして弱火でコトコト煮る。
 最後にもとの梅酒を少し入れておいて、
 梅がたっぷりと和三盆の蜜とともに吸うようにする。
 梅には、最初から炊け串で穴を開けておく。
 こちらは前夜に自宅で作って覚ましておいた。
 まずは、秋鹿「クレマンドノゼ」とともに梅をいただく。爽やかな香りに、上品な甘みが乗ってきて、
 口開けにはちょうどよい。
 クレマンドノゼの甘酸っぱいシュワシュワ感は、
 初恋の味のよう。
 お客様も気に入ってくれた。
 続いて、宮城屋の豆腐。キヌと胡麻オボロを取り寄せてあった。
 何もかけなくても、甘みが広がる。
 クレマンドノゼとの相性もいい。
 そして、鴨の燻製。こちらは包丁でスライスして、
 カセットコンロを使ってフライパンで軽く炙る。
 秋鹿「山廃純米大吟醸」を合わせる。
 鴨の上品な脂が秋鹿の酸のキレで綺麗に引いていき、
 口のなかには旨みだけ残る。
 鴨のコンフィがまた秀逸。
 こちらは、西崎ファームで調理して
 真空パックに入れて送ってくれたものだが、
 その真空パックごとお湯にいれて温める。
 コラーゲンいっぱいで、鴨の旨みが凝縮している。
 お客様も十分に満足。愉しく飲んだ一夜だった。 |