“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第571回
秋の岸由の懐石

ある居酒屋で知り合いの女子アナにばったりと会い、
ワイン屋、JALのエア・アテンダント、
ワインマニアの音響技術者と、
なんら脈略のない職業の人間5名で、
いまが旬の懐石割烹料理屋の
小滝橋「岸由」に行くことになった。
そして、そのお約束の会を1ヶ月ほど前に開催した。

まずは座敷に通されて、ビールで乾杯。
丁度この店がブルータスに紹介されたという話題がでる。
そして前菜が運ばれてきた。

・ 前菜 甘エビ、エボダイ、サザエ、鮟肝、銀杏
一同、その繊細な味わいに感心。
丁寧な盛り付けで見た目も美しい。

・ 椀 鮪と葱。
なべ家の「葱ま鍋」を思い出すコクのある味わい。
これは、青森の初駒と合わせる。
初駒の乳酸の柔らかい味わいが、
鮪の鉄分の旨みをさらに引き出している。

・ お造り アマダイ、村公一さんの鱸
甘みが上品にでているアマダイ、
そして、村さんの熟成した鱸。
肝と浮き袋も一緒。
これが珠洲の宗玄とよく合う。
鱸は一同無言で食べる。
肝と浮き袋がまた極上の味わい。

・ 焼き物 牛と松茸
秋鹿と合わせる。
秋鹿の酸のキレが牛肉の脂をすっと引かせて、
旨みだけが口のなかに残る。
松茸の香りもとてもよく、牛肉に絡んでいる。

・ 焼き物 鰆の西京焼き
こちらは、悦凱陣を合わせる。
ほどよい、西京味噌の漬け具合。
柔らかい味わいに悦凱陣が進む。

日本酒を堪能しながら、ワインの話題にも盛り上がる。
ワイン屋さんの池袋サンシャインでのワイン会開催、
ワインマニアの方の2000本のワインの在庫の素晴らしさなど、
とても面白く、話すがはずむ。
そして、最後の食事が運ばれてきた。

・ 食事 海胆ご飯
海胆の香りが満ちていて、熱々の米の甘みと重なり、
幸せいっぱい。
 そして、本当の最後がデザート。

・ イチジクのコンポート
甘みを抑えた上品な味わい。
口がさっぱりとする。

普段はワインばかり飲むという皆さんに、
日本酒の旨さを知っていただく、とてもいい機会となった。


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2006年11月6日(月)

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