“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第490回
超美食会のまとめ

第1回超美食会のテーマは
せっかく集まっていただいた読者の皆さんに、
このコラムでの私の執筆していた美味しさに実際触れて、
理解を深めていただくことであった。
初回なので最高の美味しさの場を設けることに腐心した。
最高の食材である、鳴門の村公一さんの鱸と、
そのよさを最大限演出できる才能の持ち主、
坪島さんの料理という組み合わせを選定した。

村さん、坪島さんには、事前に今回の会の主旨をお話してあった。
それで、お二人とも特に気合が入って鱸を捕獲し、
料理を作っていただいたようだ。
鱸の素材のよさには皆さんびっくりされていた。
お造りはかむほどに甘みがでてくる。
潮汁には、奥深くから旨みが溶け出てくる。
塩焼きはストレートな旨みが口の中にひろがる。
そして、肝、胃袋、浮き袋の旨さがまた際立っている。
湯引きの加減もとてもよく、
肝は繊細な甘みが口のなかで余韻を引く。
これを食べると、
最高級のフォアグラを大きく超える上品さが感じられる。

胃袋は、シコシコした食感のなかから、
ほんのりとした甘みが感じられる。
まるで、若い女性がはにかんでいるような爽やかさがある。
浮き袋は、より野生的な旨みが愉しめる。
艶やかな熟女のような魅力。
これらを宗玄に合わせると、さらに旨みが広がってくる。
参加された皆さんは鱸の内臓を食べるのは初めてだったようだが、
その旨さにはひとしお感心していた。
天才肌の坪島さんの調理も完璧。
酢の使い方が実に旨い。
鮎を酢に通してから焼いたものは、鮮烈な旨みを愉しめた。

参加された皆様とも、
これらの料理と酒を主体とした、愉しい会話が続いた。
まさに、最高の宴であった。
今回落選した方々には本当に残念。
次回は9月頃に30名程度と
人数枠を増やした会を開催したいと考えているので、
ぜひ多くの読者の皆さんに参加をしていただきたい。


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2006年7月14日(金)

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