第489回
極上の鱸
当日でた料理は次のとおり。
・鱸カマの酒蒸とジュンサイの酢の物
・前菜 瓜、鱸の海胆乗せ、鮎、川海老
・お造り 鱸まつかわ造り、胃袋、浮き袋、肝
・鱸の潮汁
・鯛の煮物 茄子、若布、木の芽
・鱸の塩焼き
・青梅
・鱸炊き込みご飯
・味噌汁
・香りのもの
・デザート スイカ、キウイ
鱸が形を変えていろいろと出てくる。
その旨みに一同感激。
それでは、後日電子メイルで送っていただいた
参加者の感想を抜粋して紹介しよう。
■ Cさんご夫妻
(ご主人)
今日の料理ですが、
告白すると鱸をまともに食するのは今回が初めてでした。
魚のおいしさに目覚めたのが近年であるせいかもしれませんが、
鱸がこんなにおいしいものとは思いませんでした。
それぞれ素材の背景を教えていただきながらいただいたので、
よりおいしく感じられたのかも知れません。
日本酒の燗は古川様の書を読みながら試す機会も無く、
本日はじめていただきましたが最高の食中酒でした。
日本酒は冷酒でそれなりに飲んでまいりましたが、
特に料理にあわせた飲み(ませ)方に驚きを感じました。
次回も新しい感動を味あわせていただければ幸いです。
本当にありがとうございました。
(奥様)
難しいことは抜きにしてとにかく美味美味美味。の連続。
『鱸』づくし。
身は白くふんわりしたお椀。
酢で洗って焼いた鱸のさっぱりとコクのある豊かな風味。
全く臭みのない『肝』の舌にまとわりつく濃厚な味わい。
内臓のこりこりとした食感。
じゅんさいと柚の香りのハーモニー。
おだしをたっぷり含んだ焼き茄子。
薄いのに歯ざわりさくさく磯の香りたっぷりの若布。
鱸のうまみと針のように繊細な新生姜の炊き込みご飯。
透き通った鯛のお造りは爽やかな梅だれで。
そして鮮やかな青梅のデザート。
どのお料理もシンプルにして素材の持ち味を最大限に生かした
上品なお味付け。もううなりっぱなしです。
そして古川先生のセレクションによる一品一品に合わせた
個性豊かな日本酒たちとお料理のハーモニーが絶妙で、
お酒もお料理も進みます。
日ごろお酒とは無縁の私なのにこんなに飲んで大丈夫かしら〜!
と思いつつ止まりません。
皆さまとの会話もはずみ楽しく美味しいひと時、う〜ん贅沢。
実は『燗』をしたお酒は初めて。
“日本酒といえば冷酒!”と思い込んでいた私ですが、
むせるような香りに包まれ日本酒ってこんなに香りが深いのね!!
と新発見。
思いつくままに感想を綴ってしまいました。
古川先生に感謝です。
ありがとうございました。
■ Nさんご夫妻
今回の鱸ですが
過去に食べたものとはレベルが違い大変美味でした。
漁の方法、しめ方の違いで
味わいがまったく違ってくるのは驚きです。
肝は初めて食べたのですが美味しくて気に入りました。
また全ての料理は一見シンプルですが
素材の旨味をストレートに感じられる素晴らしいものでした。
技量の高さがうかがえます。
また主人の料理に対する真摯な気持ちが伝わりました。
近いうちにぜひ再訪したいと思います。
それから初駒は初めて頂いたのですが気に入りました。
■ Mさんご夫妻
先日は、超美食会にお招き頂きありがとうございました。
古川さんはじめ、
さまざまな業界の方々の色々なお話を聞くことができ、
大変楽しい時間を過ごさせて頂きました。
そして、滋味あふれる料理と個性的な日本酒の数々、
またその相性と十二分に堪能させていただきました。
料理では、
村公一氏の鱸のじわーっと奥に広がる旨みが最高でした。
それを素直に引き出す坪島氏の調理技術にも驚くばかり。
特に、「にこごりとじゅんさいの酢の物」「刺身」
「炊き込みごはんと味噌汁」が印象的でした。
にこごりの凝縮した厚みのある食感と
じゅんさいのぷるんとしてかむとざくっと切れる食感が、
穏やかな酸味で包みこまれて心地よく混ざり合い、
食欲を掻き立てる一品でした。
刺身は、特に胃袋と肝にビックリ。
胃袋はぷりっとした食感で
穏やかな塩味がかむほどに旨みを引きだす一品でした。
肝もしつこくないじわっと広がる旨みと
パサッとしない調度よい食感で、まったく臭みを感じませんでした。
締めの炊き込みごはんと味噌汁でほっとすることなく、
さらに驚きを感じました。
鱸の旨みが少しかためのごはんにとにかく染み渡っていて、
しょうがのふわっとした香りが絶妙なバランスで
さわやかさを演出していました。
味噌汁は一切くどさを感じない
とにかくきれいなダシに味噌の風味がふんわりと乗って
心地よかったです。
お酒も米の旨みをしっかり感じるものばかり。
燗の温度も低めでちょうどよかったです。
古川さんの、日本酒を料理にあわせるときは
酸味がポイントになるというお話は大変参考になりました。
お酒をふくんだときは、
料理に対して酒の風味が強すぎるのではと思いましたが、
実際にあわせると、うまく調和して、
さらに旨みが引き出されることに驚きました。
ありがとうございました。
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