“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第479回
夏の燗酒のイベントが目白押し

ここのところ、燗酒がブームになりつつある。
そのためかどうか、なんと暑い夏に燗酒を飲む
大規模なイベントが今年はたくさん企画されている。
暑い夏こそ燗と、夏に純米酒の燗を飲む会が
蔵元交流会の主催で
「燗酒楽園」という会が2003年から開始された。
その第1回と第2回は東京のホテルだったが、
昨年の第3回は大阪で初めて開催されている。
私は第2回と第3回には客として参加し、
蔵元交流会の顧問をしている上原浩先生の
開会の元気な挨拶を聞いていたので、
まさか今年お亡くなりになるとは思ってもいなかった。
上原先生が亡くなられたことで、
このイベントはどうなることかと思っていたら、
なんと京都と東京で2回も開催されるという。

8月27日(日)がホテルグランヴィア京都で、
そして、9月10日にはリーガロイヤルホテル東京と、
二ヶ月の間に続けて開催される。
この行事とまた別に、
7月には名古屋で燗酒の会が予定されており、
8月5日(土)にはリーガロイヤルホテル東京の
単独開催イベントとして、「純米酒・夏の宴」が予定されている。
合計4回の燗酒の会が夏に行われるのは、
日本酒業界の歴史のなかでも初めてのことであろう。
それだけ燗酒の人気がでてきたということだ。

夏は冷やしたビールというのが、これまでの日本人の通常の感覚。
日本酒を冷やして飲んだり、
焼酎をオンザロックで飲むという酒飲みも多少はいるだろう。
しかし、夏にも燗を飲む酔狂な人間はとても少ない。
ところが、実は夏こそ燗が旨く、身体にもいい。
蕎麦でも夏に温かい種物を食べると、
汗は余計にかくが、その後の胃腸の調子がいい。
酒も同じで、夏に飲む燗は身体によく調和する。
冷酒を飲むと、最初は酔い具合が少なく、
あるときに、突如酔いが回ってくる。
しかし、燗酒は飲めばのむほど、それに比例して酔ってくる。
この飲むほどに酔い、酔うほどに気持ちよくなってくる感覚が、
真夏の夜によく合う。
皆さんもぜひ夏の暑い夜に燗酒を飲んでいただきたい。


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2006年6月29日(木)

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