“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第416回
カレー饂飩に日本酒が合う

宇都宮線「東大宮」の大学から
小田急線「代々木上原」の自宅への帰り道は
赤羽から池袋を経由して新宿を通る。
帰りに飲みたくなるとまずは、
東大宮の「東大宮工場」で立ち飲みもいいし、
より自宅へ近いところで、
十条「すみた」、池袋「坐唯杏」、
高田馬場「真菜板」、代々木上原「魚 こう」といった
色々な選択肢がある。

真菜板にはだいたい週に一度くらいは訪問しているが、
ここの裏メニューでカレー饂飩がある。
旨い燗酒と酒肴を堪能して、最後の食事のときに注文する。
食事はソーメンチャンプルやチャーハンという選択肢もあるが、
出汁の旨みが伝わるカレー饂飩は飲んだ身体に優しい。
このカレー饂飩に実は日本酒がよく合う。
それは悦凱陣(よろこびがいじん)の山廃雄町無濾過生原酒。
ボデーのある旨みと適度な酸の切れ上がりで、
熟成してうまく、燗あがりする酒だ。
悦凱陣を口に含み、カレー饂飩をすするともう至福のひととき。
食べ終わったときの満足度はとても高く、
店をあとにして、いつまでも口のなかに旨みが残っている。

カレー饂飩では十条「すみた」も旨い。
ここでは他の饂飩もお勧めだが、
カレー饂飩は伊吹島のイリコの出汁がカレーに調和していて、
真菜板よりもやや甘めの味付け。
それで、こちらには同じ悦凱陣でも山廃ではない
オオセトで醸した純米がよく合う。
こちらは山廃よりも酸が出ていない分だけ、甘みをより感じる。
その甘みとカレー饂飩の甘みがよくマッチするのだ。
なお、神亀「ひこ孫」も燗をするとカレー味によく合う。
カレーライスにもお勧めだ。
骨太の味わいがスパイシーなカレーの味を際立たせてくれる。

このように、カレーというと
ビールを飲みたくなる人が多いと思うが、
意外に日本酒もよく合う。


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2006年4月3日(月)

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