“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第390回
無濾過純米生原酒の美味しい料理屋

最近、居酒屋、割烹では
限られた料理屋に行くことが多くなっている。
というのは、
本当に美味しい日本酒を置いている店が少ないからだ。

もちろん、地酒にこだわって、
そこそこ美味しい日本酒を置いてある店はある。
しかし、本当に旨い無濾過純米生原酒の面々を知ってしまうと、
知名度だけが高い地酒などはあまり飲む気になれない。
同じ無濾過純米生原酒であっても、
また、同じ種類の原料米、酵母を使っていても、
その蔵の造りの違いが味へ及ぼす影響はとてつもなく大きい。
造りの悪い無濾過純米生原酒は当りがきつくて、
喉を通すときに抵抗感さえでてくる。

そこで、いい造りの無濾過純米生原酒の代表である、
秋鹿、奥播磨、宗玄、開運、るみ子の酒、
諏訪泉、初駒、鶴齢、十旭日、悦凱陣や、
火入れのしっかりとした純米酒が主体となっている
神亀、群馬泉、鶴の友
などが置いてある居酒屋、割烹などに通うことになる。
これらの銘柄を主体に置いている店はかなり少ない。
東京都内では、
高田馬場「真菜板」、
池袋「坐唯杏」、
代々木上原「こう」、
銀座「こびき」、
茅場町「五穀」、
池尻大橋のマスコミ取材を拒否している居酒屋、
幡ヶ谷の蕎麦屋「ふじ多」と、
それにあと数店くらいだ。

何故、これらの本当に美味しい銘柄の地酒を
置く店が少ないかというと、
一つはまだたいていの居酒屋・料理屋は
知名度で酒の銘柄を選んでいるからだ。
ほとんどのお客も知名度で日本酒を頼むので、
頼まれた店が無いとはっきり言うことができない。
もう一つは、これらの本物の日本酒の生産量が少ないこと。
東京都内では笹塚の「マルセウ本間商店」以外は
あまり扱っていない。
そして、この本間さんの商売は、
どんな料飲店でも日本酒を売ることをしていないから。

これらの旨い酒の真価を分かってくれて、
それを客に伝えられるかどうかで、
その店に売るかどうかを判断している。
久保田、十四代などの知名度先行の銘柄を置いている店には
絶対に売らない。
このような本間さんのような
地酒の商売の哲学を持っている酒販店も少ない。
有名銘柄ならなんでも扱い、
どこにでも売る店が圧倒的に多い。
料飲店、酒販店とも、
本当に美味しい無濾過純米生原酒の真髄を理解して、
それを適切に扱うようにしてくれると、
日本酒好きはさらに幸せになれるのだが。


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2006年2月24日(金)

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