“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第342回
自宅で宴会 〜その4

お酒が進んできたところで、お造りを出す。
サクにしていた平目をまず薄造りにして盛る。
丸い大き目の皿に笹を敷いて、
その上に平目を少し重なるように、花びらのように盛ってみた。
笹は築地の場内市場の野菜売り場などで
各種のツマとともに売っていて、
これを買いだめしておくと、お客が来たときに便利である。
皿にそのまま刺身を盛るよりも、雰囲気がでる。
笹は冷蔵庫に保管しておけば、長期間使える。
平目のお造りを2皿作った。

ソイは、今度は四角の皿に同じく笹を敷いて薄造りにした。
3尾分あったので、結構な量になる。

まずは、平目と初駒を合わせる。
小樽沖と青森の酒の相性はとてもいい。
初駒はいまや青森を代表する旨みのある、しっかりと造った酒で、
やさしさのなかにしっかりとした骨格を持っていて、
飲み飽きしない。
以前、拙書「世界一旨い日本酒」を執筆するときの確認作業として、
30銘柄を越える地酒の燗のブラインド評価をしたことがあるが、
そのときに1位は「初駒」の無濾過純米生原酒であった。
平目はきれいな深みのある味わい。
さらに1日置けば熟成が進み、
もっと味が乗るという状態であったが、
まあまあの旨みはあり、初駒によく合った。

ソイには宗玄を合わせる。
ソイの上品な脂を宗玄の酸味が支えて、
ほどよい旨みとなって口のなかに残る。
ソイは平目よりも濃い魚の旨みがあり、
脂がその旨みを滑らかにしているので、
宗玄がさらに広がりをつくってくれる。
平目とソイの肝と胃袋はあとで湯引きでいただいた。
ともにとても新鮮。
肝はなんともいえない旨みがあり、
胃袋はぷりっとした食感がたまらない。
小樽に上がった魚の実力をあらためて認識した。


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2005年12月20日(火)

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