“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第336回
ホテル西洋銀座でカリフォルニアワインの会 〜その2

シルヴァーラードのワインをいよいよ口にする。
まずは、ソーヴィニオンブランの白。
わずかにセミヨンが混ぜられているそうだ。
さわやかな香りで軽い味わいが、
アミューズのシャケとチーズにをやさしく包み込む。

シルヴァーラードワイナリーでは、
畑の手入れを試行錯誤して、
高品質の葡萄を実現可能な範囲の手間で作ることに
努力してきたという。
昔の葡萄栽培では手作業で剪定をしていたが、
これは広大な畑では不可能。
そこで、下草をあらかじめ植えて、
葡萄がとる栄養分を土から吸わせるなど、工夫を重ねてきた。
いまでも、葡萄の周りの葉や虫は手で取り去っているという。

そんな努力をしているせいか、
ソーヴィニオンブランは2004年と若いにもかかわらず
雑味が少なく、きれいでまとまった味わいに仕上がっていた。
まさに、最初に飲むワインにぴったりだった。
最初の前菜のホタテともよく合った。
ホタテはオレンジの香りがついており、
アンディヴを蜂蜜でつくった薄いシロップに浸してから
焼き上げたものの上に乗っている。
この、オレンジの香りとソーヴィニオンブランの柑橘系の香りが
とてもよくマッチする。
コリアンダーもアクセントとなっていて、
広田総料理長の実力を感じさせた。

次のワインも白。
今度はシャルドネの2003年のもの。
これは、ブルゴーニュほどの個性は感じられず、
やわらかい味わいに仕上がっている。
シャルドネは黒むつのローストに合わせる。
ムニエル風にバターで焼き上げてあるが、
ヴィネガーの香りが心地よい。
シャルドネの強さとバター風味がよく合う。
広田シェフは、今回のワイン会では
事前にすべてのワインを試飲して、
それに合う調理方法を検討したそうだ。
とにかく、それぞれのワインと広田シェフの料理は
とてもよく合うように工夫されていた。


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2005年12月12日(月)

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